本当は、下鴨神社の足つけ神事でちゃぷちゃぷする様子を撮りたかったのだけれど。
京都で撮るのだから、モデルは当然のようにくーちゃんに依頼した。
出町柳駅から下鴨神社に向かいつつ、出店が立ち並ぶ糺の森を歩いているうちは、マァ、人はそれなりに多いけれど、祇園祭の人出に比べればこんなものと高を括っていた。
然し、だ。
下鴨神社の鳥居の前まで来たとき、長蛇の列を目にして愕然とする。
最初は何か有名な出店が出ていて、それに並んでいるのかと思ったが、やはり御手洗池での足つけ神事を待つ行列だった。
そういえば、この日は夏休み最初の土日だった。
せめて境内にでも入れないかと、最後尾のプラカードを持つお姉さんに訊ねてみたが、アルバイトであろうその人は首を横に振るばかりだった。
足つけ神事に来たのなら良いけれど、あくまでも目的は撮影なのでさっさと見切りをつけて、腹いせにみたらし団子を食べた。
きな粉をかけたみたらし団子は初めてだったが、さっぱりとしてとても美味しかった。
その後は神事の真似事と称して生ぬるい鴨川の水に足をつけたり、相変わらずのノープランで歩き回りながら写真を撮った。
いつものような緩さではあったけれど、撮影の結果は上々で、ズマールの開放描写も存分に味わうことが出来たし、くーちゃんの裏の顔である剽軽さも捉えることが出来て大変満足している。
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鯖街道
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月と
ー撮影後記ー
前半はフジの業務用100、後半はcinestillの800を使用しているが、cinestillの青みがかった発色が本当に素晴らしい。
今回、ズマールの丸いゴーストを出したくて、1/500のシャッタースピードしかでないライカⅡで、まだ日がある時間にも関わらず開放を使った。
当然明るい時間帯に撮ったものはほとんどが露出オーバーになっているし、逆光の写真は大いに白飛びしているものの、思ったよりは写っていたし、爽やかな感じが出てむしろ良い結果になったと思う。
こうやって、出来ること出来ないことをいちいち潰してゆくことで、少しずつ写真の精度は上がってゆくのだろうし、愛機に対する理解も深まってゆくのだと思うと、やはり写真はものすごく愉しいし、容易にはやめらない。