叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

くーちゃん。



嵐山は、平日だというのに人が多かった。

紅葉にはまだ時期が早いが、気候が大変に良いからそれも仕方のないこと。

ただ、修学旅行生は兎も角として、大人たちは仕事もせずに昼間から何をしているのだろう。

私も、そんな大人たちのひとりではあるのだが。

モデルのくーちゃん。と嵐山の駅で合流して、先ずは近くの踏切と壁で何枚か。

この時使っていたフィルム、どうも巻き上げが重く、ちゃんと撮れていたか不安だったが撮れていた。



その後、渡月橋へ向かう商店街で買った栗を食べた。

綺麗に剥けるものと、薄皮がなかなか剥がれないものがあって、ちょっとした運試しをしている気分だった。



腹拵えをして、渡月橋より下流の河原で何枚か撮る。

にっこり笑顔が眩しいね。






その後、渡月橋を渡る。

人は多いながらも、時々人波が途切れるタイミングがあるので、立ち止まってシャッターを切る。




渡月橋は往復するにとどめて、桂川沿いを山に向かって歩いた。

既に陽が傾いていて、ぼやぼやしていると光を失ってしまいそうだったので、さっさと降りてきた。

だから写真は少ない。



1時間前は陽射したっぷりだったのに、太陽は山の向こうに殆ど姿を隠していて、逆光を狙っての撮影は最早難しかった。

逆光の状況では、ピントの二重像もフレーミング用の小窓も見えないから、あまり上手く撮れない。



撮りやすさでは、順光には敵いっこない。




撮影時間も終わりに近づいたので、ぼちぼち桂川を離れて駅に向かって歩く途中、凄まじい小虫の襲撃に遭う。

髪と言わず服と言わずくっついてきて、なまじ手で払うと潰れてしまうから、エリアを抜けるまではその猛攻に身を任せるしかなかった。

多分、数匹は胃の腑に収まっただろう。

凄まじい数だったので、これがこの撮影における最大の想い出になってしまった。




虫のこと以外は、いつも通り、本当に吃驚するぐらいに愉快な、いつも通りの撮影だった。

こんな愉快な撮影が、今までのように気軽にお願い出来なくなるのは少し淋しい。

ただ、来年から関東に住むことになったとしても、京都はまた必ず訪れるだろう。

今でも、海が見たくなれば三重から半日掛けてわざわざ江ノ島を訪れているわけだから、京都が恋しくなれば同じことをするだけだ。

京都に行けば、くーちゃん。さんがいるのだから、尚更のこと。

だから、これが最後というわけではない。

またよろしくお願いします。