叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

死ニ方用意


いつまで生きられるのかは全く分からないけれど、いつか死ぬことは間違いないことで、恐らく私は、親不孝者にならぬ限りひとりで死んでゆくことになると思う。

人はその性のように死ぬということだから、家族以外の人間関係を構築出来ていない私は、家族が死に絶えてしまった後はひとりで死ぬより仕方がないのだ。

そうなった場合に何としても避けたいのは、死後長い間発見されないことで、せめて屍蝋化してくれればまだ良いけれど、もしドロドロに成り果ててしまった場合、他人様に掛ける迷惑は途方もないものになってしまう。

だから出来れば、死ぬ瞬間まで社会に参画して、死ねば誰かが直ぐ気付くような環境に身を置きたいと思うが、さらに云えば私の死体の始末を付けてくれる人を見つけておく必要がある。

例えば、私のような人間を集めたシェアハウスで暮らすことによって、死体の早期発見は果たされるとしても、その処理となると素人では手を下しにくい。

葬儀社あたりと生前から契約しておくことで火葬ぐらいはしてもらいたいけれど、遺品の処理やら役所での手続きは誰がやってくれるのだろうか。

血縁関係のない者に、それらをやってもらうことは法律的に可能なのだろうか。

最悪は行旅死亡人として処理されることにはなるのだろうが、可能な限り他人の手を煩わせることなく骨になりたいのだ。

死ニ方用意も、なかなか一筋縄ではいかない。