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これは祇園祭の写真。
本当はもう少し山鉾がはっきり写っておればよかったと思うけれど、あの暗さでは卍解して撮るより方法はなく、シャッタースピードもやたらと落とすわけにはいかないからこれが限界だ。
むしろ私の愛機でこれだ写せたことは誇ってもよいとすら考えている。
この人は人間が溢れる祇園祭の四条通りに脚立を立てて一生懸命写真を撮っていた。
報道のフォトグラファーだろうが、ニコンの大きな一眼カメラを構えるには不釣り合いな細腕が印象的だった。
そういえば、正月に会った私の友人も女性ながら新聞社でカメラを振り回している人で、いつも早朝の競りにばかり駆り出されるということだったが、やはり女性には女性ならでは苦労があるのだろう。
こういう言い方をすると、また男女差別だの男尊女卑だのと言われそうだが、素直に誰かに感心したり、誰かを気遣ったりすることの何が悪いのだと声を大にして言いたい。
人間は自らの基準でしか物事を測れないのだから、もしそれが的外れで不快な思いをさせてしまったとすれば、その時は素直に謝ればよいだけのことだ。
話がかなり横道に逸れてしまったけれど、私としては女性が女性として働いている姿も、男がやりそうな仕事で女性が活躍している姿も素直に美しいと思う。
私はそういう姿を写真に収めてゆきたい。