夜勤明けの頭が約束の時間を間違えていて、言われるまで全く気付かなかった。
相手が遅刻していると勘違いして、大丈夫ですか、なんて殊勝なフリをしたメッセージを送っているのだから、全く世話ない。
京都は出町柳駅で待ち合わせて、とりあえず鴨川のほうへ行ったが、やはり人が多い。
桜を絡めようとすると尚更。
斜面もきついし、あまり粘らずにさっさと移動すると、少し路地を入り込んだところに、大変良い場所があった。
桜、踏切、フェンス、高低差、逆光。
ポートレートをやる人で、これで心が浮き立たなければ嘘だ。
今回のフィルムは全部iso800ということで、本当はもう少し暗くなってからを考えていたのだけれど、こういう時は陽が落ちない。
ぶらぶらする。
この辺りまではportraだったか、やはり肌の色が自然だ。
雪柳もあった。
ここからはcinestill 800t。
時間帯のせいもあるだろうが、ぐっと青くなる。
やっと陽が落ちてきて、鴨川を下っていると、クライマックスに相応わしい、大変立派な桜の木が待ち構えていた。
この桜も、今頃は葉桜になっているだろう。
儚いね。
実は、三重の生活も、あと100日を切っている。
京都の桜を眺めるのは、これが最後になるかもしれないし、来年もひょっこり訪れているかもしれない。
こればかりは、誰にも分からないのだ。
そういえば、今回、露出ムラにビビって1/500のシャッタースピードは使わなかったから、変な帯は出ていない。
念のため、もう一度だけ診てはもらうけれど、もうこれで良い気がしてきた。
1/200が最速のシャッタースピードだなんて、どうしようもない欠陥品だ。
それでも、少しずつ衰えてゆく身体の不安定さも受け入れて、大いに愉しめということだろうか。