叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

カメラとわたくし


DⅡをオーバーホールに出した。

シャッター関係をもう一度見てもらう。

あれから幾つかのDⅡを物色したが、外観美品は少ないし、酷いものは底蓋が弛んでパカパカしているし、今持っているものがやはり良いのだ。

DⅡの進化版のⅢfも使ってみたけれど、端的に言えば写真を撮りにゆく気が起こらない。

少し大きいし、ゴツゴツしている。

いちいち細かいことを気にするのなら、オールドカメラなんぞ止めてしまえと思うこともあるが、これがなくては外を彷徨く気にもならないのだ。

カメラは、私にとって必要不可欠のものらしい。

ただ、持ち出したからといって、求道者のようにシャッターを押し続けるような事もしないのだから、カメラとわたくしはなんとも不思議な関係である。

それにしても、DⅡはやはり魔物だった。

あの掌への収まりの良さや穏やかな操作感は、ちょっと他のカメラでは味わえない。

そして、装備するレンズを選ぶブラックニッケルメッキのボディ。

ニッケルメッキ以外のレンズを装着するとしっくり来ないから、選択肢がかなり絞られてしまう。

フィルムカメラの写りは、フィルムとレンズに全て依存するわけだから、本当はボディは何でも良いはずなのに、こんな潰しの効かないカメラを、私は相当に気に入ってしまっている。

難儀なことだ。