ポートレートを撮った後とか、旅に出かけた後とか、そういう一刻も早く現像に出したい写真の中に、自分でも撮った理由が分からない写真が紛れ込んでいることがある。
別にそのままにしておいてもいいのだけれど、何となく纏めておく。
この2枚は、光のコントラストを撮りたかったのだと思う。
ただ、暗部が変に持ち上げられてしまって、どうにもおどろおどろしい。
これは猿を狙ったものだ。
電車に乗り込んできた2人の、酒臭い息が今でも甦ってくるようだ。
ただ、今のご時世、この手の人間を見かけなくなっているから、少しだけ感傷的になってしまったことも覚えている。
最後の2枚は、空を撮りたかったのだと思う。
空が美しいと感じる心を持ってはいるものの、いざ写真にしてみると別にどうということもない。
こうやって何でもない写真たちを並べていると、私にとっての写真とは何のために存在しているのかということを、改めて考えざるを得ない。
吸収したものが詰まらないようにする、排泄のようなものかもしれない。
なんとも、後ろ向きな話しではあるが。