叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

羨望



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私が往来の人々を撮るのは、その人自体や、複数人であればその関係性に美しさを感じるからだ。

上の写真などはその最たるもので、仲睦まじいカップルが手を取り合いながらスケートをしている様子が実に麗しくて、思わずシャッターを切ってしまった。

世の中そう良いことばかりではないし、このふたりもそれなりの葛藤を抱えてはいるのだろうが、そんなネガティブな感情をわざわざ写真に投影する必要はなく、傍目から見て幸せそうに写ればそれで良いのだ。

こういう写真を撮ることについて一定の批判があることも理解はしつつも、美しいと思ったものを撮らずにいることは難しい。

本当は、花を撮りますとか風景を撮りますとか、そういう意思を持たない被写体であれば周りを気にする必要も少ないのだが、基本的には人間に対してしか撮影意欲が湧かないから、今は細心の注意を払いつつ撮影をしている。

スマートフォンで充分事足りる時代に、わざわざカメラを使って写真を撮る人間というのは、ある種異常な神経を持っている人種であるということを忘れないようにしたい。