叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

しっぺ返し


いつかの日記に、ポートレートを撮るカメラマンとモデルの関係性は撮り撮られる以上のものであってはならないし、どちらかがそれを望んでしまった時、その関係は解消されるべきだと書いた。

そして今まさに、私自身の発言に従ってポートレート撮影から離れようとしている。

モデルに対して恋心を抱いたというわけでないが、少なくとも友人になって欲しいぐらいの気持ちは抱いていて、直裁に言えばモデル料を払わずに撮らせて欲しいと思うようになってしまったのだ。

別にお金を惜しんでこのように言うのでなく、金銭のやり取りを発生させないことで、友人同士で出掛ける時のような感覚を味わってみたくなったのである。

ただ、この考え方がポートレートを撮るカメラマンとして実に危険な思想であることは重々承知しているから、私はそこから離れるしかないのだ。

多少淋しくはあるけれど、抜き差しならない状況になる前に身を引いておけば、私もモデルもイヤな思いをせずに済むだろう。

それにしても、たかが趣味の話であるのに人間が絡むと途端にややこしく考えてしまう私のこの能力、何か他のことに転用出来ないだろうか。