遊撃、という言葉がある。
特定の目標を定めず、状況に応じて適宜攻撃を行うことだが、私のポートレートの撮り方がこれに似ている。
スケジュールが合いそうなモデルさんをSNSで見つけて依頼を出したり、旅先で予定が空きそうだと思ったら、その土地のモデルさんにお声掛けしたり。
暇つぶしのような、何かのついでのような私のこのやり方は、モデルさんにとっては撮られ甲斐がなかろうなぁと、最近は思っている。
何ヵ月も前から予定を合わせて、撮影のテーマや衣装を入念に打ち合わせして、モチベーションを上げて臨むようなポートレートがあることを知らぬではないし、そのような撮影をしてこそ撮られる方も甲斐があるというものだろう。
それでも私は、知らない街で二度とは訪れぬであろう路地裏とか公園とかでポートレートを撮ることが好きで、それに面白味を感じているから、今のスタイルを変えるつもりはない。
全く勝手な話しではあるけれど、そんな私に付き合ってくださるモデルさんが少なからずいて、非常に有り難くもある。
ここにいる間に、もう少し撮り廻りたいな。