36枚を真面目に撮ったとしても、心から良いと思えるものはほんの数枚しかない。
逆を言えば、数枚はある。
そう思えなかった写真たちの為にも、これからはその数枚を大切にしていきたい。
手始めに、それを撮るに至った経緯とか、どのような理由からそれを良いと思うのかを言葉にしてみようと思う。
言葉に出来ぬような写真は、自分にとってその程度の写真だということでもあるだろうから。
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名古屋で撮った一枚。
向かい側の道路にいた、傘をさす女性を狙って平行に移動しながら、洋式建築と緑鮮やかな大樹が背景になる瞬間を狙って撮った。
赤い車は写り込みで、女性の傘に色味があれば排除すべき要素だったかもしれない。
洋式建築と樹、車と人間の大きさがそれぞれ対比されているような構図になっていて、写真としても面白いと思う。
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これも名古屋での一枚。
二大運送会社をタイミング良く画角に収めることが出来ているし、佐川がトラックで、ヤマトが台車という対比も面白いと思った。
ヤマトのお兄さんの、脚の開き具合も良い。
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これは京都。
ノーファインダーで咄嗟にシャッターを切った写真だから、ピントは甘いし露出は明らかにアンダーだが、それが逆に良い雰囲気を醸し出してくれている。
両者の頭の角度もちょうど良く、仲睦まじく会話を交わしている様子が伝わってくるようだ。
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これは京都駅。
リフレクションの中に、人間を2人配置した。
もう少し特徴的な人間を入れることが出来ればなお良かったけれど、現実世界の階段と鏡の中の世界の階段が面白い模様になっていたからこれはこれで良いと思う。
本当ならば、もう少し粘って撮るべきかもしれない。
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これは京都の鴨川デルタ。
こちらは露出オーバーで、ズマールらしいフレアとゴーストが盛大に出ているが、これは狙って撮ったものだし、ゴーストについてはもう少し主張してくれても良かった。
ピントもどこに合っているのか分からないけれど、人間の配置のバランスも良く、ジオラマを見ているようで大好きな雰囲気に仕上がっている。
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この5枚は、ポートレートの合間に撮ったスナップの中から選抜したもので、最近撮った中で特に気に入っているもの。
良いと思う写真を選抜しているから、どうも自画自賛気味になってしまうのはご愛嬌。
他にも惜しい写真はたくさんあるものの、是非を天秤にかけた時に非の要素の方が大きかったり、写真としての面白みに欠けていたりする。
偶発に頼るスナップ写真を撮る以上、全てを狙って撮ることは出来ないけれど、少しでも打率を上げてゆきたいとは思う。