京都で呻吟しながら消費したモノクロフィルムが現像から帰ってきた。
もともと積極的に色に反応して撮るタイプの人間ではないものの、それが紅葉の季節ともなれば話は別で、紅葉に出会う機会は幾度となくあったのに、それを尽くスルーしなければならないというのは中々に辛いことだった。
ただ、紅葉に色づく京都を写真の中に収めることこそ出来なかったものの、その点に目を瞑れば他は案外好みの写真が多かったので、それをせめてもの慰めにしよう。
以下はその中からピックアップしたものである。
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切り取り方の問題でしかないのだが、十字架の根元に鳥居が設置されているようで、何ともいえない気持ちになった。
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おそらく個人用のスマートフォンを持ち歩くのが禁じられているのだろう。
地図を広げて長いこと会議していた。
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民家の軒下の秋薔薇。
モノクロにすると色が分からなくなってしまうのだが、これは花の形が綺麗だったから撮った。
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おそらく美しかったであろう紅葉も、モノクロで撮ってしまえばこの通りである。
影が綺麗だったからシャッターを切ったはずだが、少し露出オーバーでそれも表現出来ていない。
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誰しもがここで写真を撮る。
別に何ということもない。
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刈谷駅のホーム。
明け始めた空は白飛びしていて、写真の下部、駅のホームは黒潰れしているが、その中間の陰翳が非常に気に入っている。
そして、ぽつりと佇む女性。
時々こういう写真が撮れるから、ストリートスナップはやめられないのだ。
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京都駅のホーム。
下車した瞬間に良い光が差していることに気づいて、露出もピントも山勘でシャッターを切った。
帽子を被った男性に概ねピントが合ってくれたのは全くの僥倖なのだが、そのお陰で非常に奥行きのある写真になった。
陰翳の描写も中々にハマっていて、モノクロの良さが生かされた写真になっていると思う。