叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

被写体


人間を入れたスナップを撮る人は、おそらく、自分の写真の中に写り込む人について、何かしらのこだわりを持っていると思う。

私の場合、なるべくならばカップル、女子高生、原色の服装をした人に写り込んで欲しいと思っている。

こういう人たちを見つけると、背景はどうあれ取り敢えずシャッターを切ってしまうのだ。

文字にしてみるとなかなか気色の悪い話しだが、別にこれらの属性にある人をつけ回して撮っているわけではなく、ただシャッターが切りやすくなるというだけですと、言い訳のひとつもしておく。

とにかく奇抜な人を撮りたいという人もいれば、ご老人や子どもたちが醸し出すほのぼのとした雰囲気を撮りたいという人もいるだろう。

写真というものが、撮る人間の趣味趣向を発露するものだとすれば、カップルを追い掛ける私の趣向とは一体どのようなものなのだろうか。

最早望んでも手に入らぬ関係性を、せめて写真の中にだけでも閉じ込めておきたいのだろうか。

考えれば考えるほど、分からなくなってしまう。