叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

撮り方


この前京都に行った時に遭遇した、ライカ使いの中国人フォトグラファー。

彼は私と同じ、スナップ写真を撮るフォトグラファーだったけれど、往来にしゃがみ込んで似たような構図で何度もシャッターを切っていたのが印象的だった。

メインに据えていたのは夕陽に照らされた教会。

その前を通る人たちをシルエットにした写真を撮ろうとしていたのだが、その影の形に拘っていたようだ。

ただ、私はあまりそういうことをしない。

フィルムを使っている関係で写真をその場で確認できないから修正のしようがないし、同じような構図で何枚も撮るのはフィルムが勿体ないからだ。

余程のことがない限りいつも一撃離脱、ダッと撮って直ぐにその場から離れる。

写真を撮る人間に対する目が厳しくなっている現代においては、実に良い撮り方だと最近は思うようになった。

特に人間を入れたスナップを撮る場合、同じ人間を何枚も撮っていれば流石に気付かれるだろうし、下手をすれば警察沙汰になってしまう。 

全く世知辛い話で、人の写り込みを極力排除しようとするフォトグラファーもいるようだが、そんな写真には魅力を感じない。

私の場合、機材の関係からやむを得ずというのが本音ではあるけれど、こんなものは良いふうに言ったもの勝ちということもあるから、他人に不快感を与えない為の私なりのルールですと公言することにしようか。