土曜日、DⅡの試写をして歩いた。
購入した段階でグッタペルカが浮いていたから、既に入院が決まっているのだが、もし写りにも不具合があればそこも直してもらおうと思ったのだ。
試写をしても直ぐに写真が見られるわけではなく、結果が出るのは1週間後だから、何とも気の長い話である。
それでは、土曜日の私の行為が正しかったのかどうかを判断することさえ出来ない。
これがフィルムで撮るということだったかと、懐かしく思い出している。
それにしても、やはりDⅡで撮ることは愉しい。
写真を撮ることに夢中になれる。
神経を研ぎ澄まして、陰影や色彩、造形を探す感覚、設定を詰めながらじりじりと被写体に接近するスリル、シャッターを切った後の静かな余韻と満足感。
やり直しのきかない世界を、やり直しのきかないフィルムで撮るというのは、時に泣きたくなるほどの儚い行為だが、大変に意味のある行為だとも思う。
何もかも思い通りにせねば気が済まぬというのは、人間の傲慢でしかないのだから。
DⅡが手元にあると、どうもお喋りが過ぎる。