叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

一期一会


私の今のライカII型、とても調子が良い。

これまでバルナック型だけでもⅢbを振り出しにⅡ型を2台、Ⅲfを1台使ってきたが、どれもフィルムの上下が妙な具合に感光したり、アンダーパーフォレーションが出たり、オーバーホールに出しても露光ムラが直らなかったりした。

いずれも写真を撮る上で困ってしまう不具合だったので、全て手放してしまった。

ちなみにⅢfだけは何の不具合もなく、シャッタースピードも1/1000まであったので使いやすかったのだが、板金のボディに慣れた手にはどうも大きく馴染めなかった。

今持っているⅡ型は半年前に購入したもので、それなりに塗装も剥がれているし、グッタペルカも褪せているので、外観的には美品とはいえない。

ただ、写真を撮るという点についていえば全く不具合がなく、1/500のシャッタースピードが本当に出ているのかは分からないけれど、大体意図した露出で撮れているし、ピントも合っている。

今時のデジタルカメラならば、同じ機種を購入すれば性能のばらつきなんて考慮しなくても良いのだろうが、クラシックカメラについては一期一会の要素が大きく、不具合なく手に馴染むカメラを手に入れる為には、根気強さとある程度の運が必要なのかもしれない。

だからこそ、納得ゆくカメラに出会えた時はそのご縁に感謝して大切に使ってゆかねばならないと、自戒を込めて書いている。