DⅡとニッケルエルマーの組み合わせは、もはや様式美の域に達していると言って差し支えないと思う。
だからこそ、私は困っている。
今回購入したニッケルエルマー、何本かフィルムを撮った段階では、正直納得のゆく写りをしてくれない。
これもオールドレンズの味と諦めてしまうのもひとつの手ではあるのだが、どうせならしっかりと写るレンズを一本ぐらいは持っておきたい。
そんな時にこのDⅡとニッケルエルマーの組み合わせを崩してしまうことに対して、非常に抵抗を感じている。
ライカスクリューマウントのレンズについては、ズマールあり、ズミタールあり、ズミクロンありと選択肢は豊富なのだが、いずれもシルバークロームの鏡胴で、DⅡには合わないのだ。
さらに、今後もっと明るいレンズをと望んだとしても、ニッケルのヘクトールしか選択肢がない。
完成された様式美は人を恍惚とさせるが、他の要素の混入を許さない厳しさも併せ持っている。
DⅡとニッケルエルマーで撮れるものだけを撮ることも、またひとつの様式美かもしれないが。