写真を撮るなら映画を観た方がいいと云うのは誰かも言っていた気がするが、本格的に写真を撮っている訳ではないケンタさんに言われたのには驚いた。
全ての道はローマに通じているんですねと返したら、苦笑いされてしまったけれど。
どうも私は、他の芸術からのインプットを写真でアウトプットしようと云う姿勢に欠けている。
自分とは異なる価値観から生じるギャップを、そのまま放置しておくのか、完全には解消出来ぬまでも理解に努めようとしてゆくのか、それとも見境なく肯定して取り入れてゆくのか。
私はどちらかと云うと放置しておくパターンだったが、これはい所謂老害まっしぐらだし、見境なく肯定するのは相手に阿ろうとしている気がするし、相互理解が深まらないと云う点では放置しているのと変わらない気がする。
一昨日話をしたケンタさんは、自分と違う価値観を積極的に理解しようとするタイプだった。
自らの好みで選択して得た経験については、やはりバイアスが掛かってしまって、想像を超えるような価値観を提供してくれることは少ないということらしい。
ただ、それを完全に理解する必要はないとの考えも持っていて、私もこれを機に真似をしてみようと思う。
旅に出るならピーピーギャーギャー騒ぐような旅をするとか、写真を撮るならガチガチに決めた風景写真を撮るとか。
後は日頃全く観ない映画を、それをドキュメンタリーとかアクションではなく恋愛映画を観てみるとか。
確かに新しい発見は得られそうな気がする。