叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

某氏


今日は某氏と釣りに行った。

某氏は10年来の友人で、先週の土曜日にも会ったし、今日は一緒に釣りをした、そして今週の土曜日も会うことになっている。

10年の空白を取り戻すかのようにといえばロマンチックだが、某氏は男だし、別に積もり積もった話をしている訳ではなく、今回のように釣りをしたり、田舎に行ってイベントに参加したりするだけで、これは10年前と何も変わっていない。

10年前と同じことをして、未だにお互いが楽しめるというのは実は奇跡に近いのではないかと思う。

お互いの心情や嗜好がこの10年の間に全く変わらないというのはあり得ないけれど、どこか根っこの部分で共通の価値観を持っているようだ。

ちなみに某氏は近々結婚する。

今日は奥さんになる人にも合わせていただいて、釣った魚を一緒に食べた。

ご飯を食べてテレビを見ながら雑談をしていると、某氏の実家にいるような心地がしてきたのは、実に不思議なことである。

おそらく某氏は、実家の雰囲気を無意識のうちになぞっているのだろう。

私が求めても手に入らない何か、最近は求めているのかすら怪しい何かを、周りの人たちは次々と手に入れていて、時々は卑屈になってしまうのだけれど、その人たちは意に介する様子もなく私と付き合ってくれる。

時々はそれが面映いのだけれど、私の方からそれを手放す必要はない。

最近は、ただ愉快である。