叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

悪癖


今日は熊本県宇城市にある長部田海床路に行った。


長部田海床路は夕方の時間帯狙いで、途中鹿児島は東郷町の藤川天神と熊本の田原坂古戦場にも寄った。

藤川天神の梅林は規模こそかなり大きかったものの、肝心の花についてはまだまだ蕾の状態だったので、何故か社殿の目の前に一本だけ植えられていた早咲きの満開の桜を写真に撮った。

田原坂については、薩軍官軍合わせて何千人もの人たちが死んだ場所でいちいち写真を撮る気もせず、手だけを合わせてきた。

その後、日の入り1時間前ぐらいを目掛けて最終目的地の長部田海床路に行く。

海床路とは、満潮時には海の中に沈み、干潮時には海面から露出する道路のことで、漁業関係者は干潮時に露出した道路を使って、特産であるアサリの採貝場や海苔の養殖場の近くまで車で乗り付けて作業をする。

本来は漁業関係者の為の設備だから、当然一般車両は海床路を通行することは出来ないのだが、どうも最近は熊本のインスタ映えスポットとして人気を集めているようだ。

実際、海床路沿いに設置された常夜灯が輝き出す時間の光景は実に幻想的で、特に満潮時は道路が海に沈んで見えないから、常夜灯が海の中から生えてきて海面を照らしているような光景を目にすることが出来る。

今日は雲ひとつない空という言葉が形容でないぐらいに晴れ渡っていたから、たかが風景を撮るだけのことに、フィルムを1本以上使ってしまう悪癖をまた発揮してしまったが、今日の光景の素晴らしさにはそのぐらいの価値があった。

現像が実に楽しみである。