叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

ミーハー


まだまだ若いつもりでいても、もうただ電車に乗るだけの旅を愉しめなくなっている。

どうしても疲労が先に来るのだ。

朝から晩まで移動に費やしたり、漫画喫茶に泊まって宿代を安く上げたりなどということは最早出来ない。

大人というものは、時間と快適さをお金で買うのだ。

こんなことはもう去年からずっと言っているような気もするが、相変わらず何も学んでいない。

今日は名古屋から横浜まで移動してきたのだが、年末でやたら人が多いし、みなスーツケースを引っ張っているから、全体的に人の流れがスローペースでそれに苛々する。

苛々の要因は他にもあって、青春18きっぷ有人改札口を通る際に、大体そこで待たされる。

自分の乗りたい電車が何番線に着くのかなんて駅の掲示板を見れば書いてあることだし、どのように乗り継げば良いのかなんてスマートフォンに乗換のアプリさえ入れていれば立ち所に分かるはずなのに、改札口で長々と駅員を捕まえているのは何故ですかと、少し意地の悪い質問をしたくなってしまう。

ご老人や子どもならまだしも、私と同じぐらいの年齢の人までこれをやっている。

要は旅慣れていない人たちが駅に溢れるから、その人たちのゆったりとした動きに対していちいち疲れてしまう。

私とて、慣れぬフィールドに立てばまごついて邪魔な存在になることは明白で、この苛立ちが実に自分勝手なことは承知しているから素知らぬふりはするけれども、疲労のせいもあって内心は余り穏やかではなかった。

そんなわけでそれなりに疲れてしまっていたが、そのままホテルで眠るのは悔しかったので、西巣鴨にある焼鳥どんに行ってきた。


YouTubeのショート動画でコントを配信しているお店で、以前から気になっていた。

私としては、大変ミーハーな理由付けである。

予約は出来ないとのことだったので17時開店と同時に訪れたが、既に多くの人が並んでいてぎりぎり一回転目で入ることが出来た。

ガーリックポテサラも美味しかったし、やたらと鰹節がかかった揚げなすも美味しかった、メインの焼き鳥も当然美味しいのだが、やはり名物の煮込みが大変美味しかった。

鶏もも肉を1枚丸ごと煮込むという看板料理で、お隣の人などは煮込みと煮込みにご飯を入れた煮込みご飯を食べていた。

確かに濃厚でありながら実に優しい味で、2杯ぐらいなら問題なく食べられるような味だった。

味とボリュームにも満足したが、価格についても非常に満足で、酒は一杯しか飲んでいないとは云え、お腹いっぱい食べて3,000円に届かぬ会計だった。

たまにはミーハー心を発揮してみるのも良いかもしれない。

移動では多少苛々させられたが、終わってみれば非常に愉快な一日だった。

明日はホテルでゆっくりして、昼からでも江ノ島に出掛けよう。