男子、三日会わざれば刮目して見よという諺があるぐらいだから、3年も経ってしまえば人間は大きく変わる。
一般人でさえそうなのだから、日々美しさを追求しているであろうポートレートモデルにおいては、何をか云わんやである。
ただ、その変化の方向性は人によってそれぞれ異なっているようで、私が3年間撮り続けたモデルについては、ひとりは大人っぽくなられたし、もうひとりは逆に若々しくなられた。
当然、メイクや衣装の具合もあるだろうから、一概には言えないのだけれど、明らかな変化を感じられる。
特に私の場合は、撮影の際のメイクや衣装について要望をすることが殆どないから、比較的モデルの素の表情が出て、変化が分かりやすいのかもしれない。
勿論、変化自体の是非を言いたいのではなく、それを写真に収められる不思議さを今は言いたいのである。
私に限って言えば、何の為にポートレートを撮るのか相変わらず明確ではないのだが、存外こういう楽しさもあるのかもしれない。