三重を退却するにあたり、その際の装備品について頭を悩ませていた。
航空機を使わぬことは既に決定しているから、在来線を使ってとろとろ移動するとなると、やはり荷物は少ない方がよろしいのだが、荷物を30Lの背嚢一つに纏められそうにない。
実家に帰る途中で7泊はしなければならないから、それなりに荷物があるし、道中多少購入したお土産がそれに加わることを考えると、ごろごろキャリーケースを引いていくしかないと考えていた。
今日までは本当にそのつもりで、先日の京都で旅行客の装備を眺めていたが、やはりキャリーケースはいかにも取り回しが悪そうだった。
階段の登り降りも辛いし、混み合う車内では肩身の狭い思いをしなければならない。
何より、折角青春18切符を使って帰るのだから、多少は気儘に乗り降りして、土地の名物を食べたり、お土産を収集しつつ帰りたい。
検討した結果、キャリーケースで帰る案は却下して、背嚢のサイズを上げて対応することにして、登山に使うような巨大なバックパックを購入した。
50Lあればそこそこ入るだろうから、お土産を入れるスペースも充分に確保出来るだろう。
電車の中でも、戸棚の上に放り込んでおけばそこまで邪魔にもなるまいし、何より両手を空けた状態で歩き回ることが出来る。
今後使うアテとしては特にないけれど、また東海道歩きのようなことを企画してしまえば、無駄になることもないだろう。
着々と、帰る用意をしている。