叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

邂逅


昨日は友人の中国料理を食べて元気が出た。

ただ、いつもより酔いが回るのが早く、それも急激だったので〆の麻婆豆腐は食べることが出来なかった。

これはまた次の機会にいただこう。

それよりも印象的だったのは、会社の同僚の女子2人に京都で邂逅したことである。

京都に到着した後、ホテルのチェックインまでの時間潰しに四条のあたりを歩いている時に電話が来て、急遽会うことになったのである。

私が歩いて京都に行くことは職場でも言いふらしていたけれど、彼女らが京都にいることは全く知らなかったので吃驚してしまった。

汗臭いし、髭面だし、歩くことに特化した妙な格好をしているから、着物を着ておめかしをしているという彼女らと一緒に歩くことは最初辞退したのだが、別に構わないというからお言葉に甘えることにした。

作業服で働く姿しか見たことがない同僚の女子2人の着物姿を、それがおそらく日本で最も絵になる京都という環境で拝んでみたいという慾望に、私は打ち克つことが出来なかった。

合流してからは、清水寺に詣でたり、おみくじを何枚も引いたり、レトロなプリン屋を訪ったり、私ひとりでは絶対にやらない京都の歩き方をした。

着物に身を包んだ妙齢の女性ふたりと、半袖半ズボンに大きな背嚢を背負ったおぢさんの組み合わせは、周りから見れば珍妙だっただろうけれど、そんなことは全く気にならぬほどに大変愉快だった。

考えてみれば、電話嫌いの私が電話に出たことも珍しいし、私がもっとだらだら歩いていたら時間が合わなかっただろうから、本当に奇跡的な邂逅だった。

そして、何よりも嬉しかったのは、本来女子ふたり、水入らずの旅の最中に、私のことを思い出してわざわざ電話をしてくれたことである。

自己肯定感の低い私だが、こういうことがあると日頃の他人との関わり方について、多少なりとも自信を持つことが出来るのだ。

また、京都という土地で彼女らとの写真を撮ることが出来たのも非常に嬉しくて、5年後、10年後、写真を見返すたびにこの日のことを懐かしく思い出せる。

苦しい思いをした歩き旅のご褒美に、思いがけず素晴らしいプレゼントを頂いて、今は非常に晴れやかな気持ちに包まれている。

夕方はたまたま予定があったモデルさんとポートレートを撮ることも出来て、非常に充実した京都行だった。

だらだらと歩いてきたからこそ、結果的には全ての物事が上手く回ってくれたようで、非常に満足してしている。