日が短くなっていることは感じていたけれど、まだまだ夏を引き摺っていて、彼岸花を見つけた時には思わず叫んでしまった。
そういえば、もう9月も中旬なのだった。
全く長閑な、代わり映えのしない景色の中に、夕暮れと季節が色を添えてくれる。
足を進めていると、また彼岸花を見つけた。
先程の場所には一輪しか咲いていなかったのに、ここではもう群生と呼べるほどに咲いている。
アップで撮ったり、背景を思い切り暗くしたり、思い付く限りの撮り方を試して見る。
最近は、被写体を目掛けて写真を撮りに行くということを全くしておらず、自分の足で行ける範囲で、撮れるものだけを撮っている。
それでも、被写体はどこにでも転がっている。
空や雲ばかりになりがちだが、それが今の私の生活の真実だと思えば、写真によって私を日常を記録するという目的は果たせているのではないだろうか。