叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

敗北


何に敗北したのかは分からないけれど、電車を使ってしまった時点で敗北なのである。

手原駅から南草津駅までたった2駅、だがこの2駅が私には永遠に感じられた。

亀山を出て、東海道西の難所とされる鈴鹿峠は、普段よりも多く汗をかいたぐらいで、特に問題無く通過した。

土山宿、水口宿と変化の少ない道を下りながら、少しずつ足の裏に出来たマメの増大を感じてはいたが、騙し騙し歩いていた。

だが、石部宿に入ってからはもう駄目だった。

マメの痛さに加えて膝や太腿まで痛くなってきて、それでも靴下を2枚履いたり、絆創膏を貼ったりしてぎりぎりまで粘ったけれど、1km進むのに20分以上掛かるようになってしまったし、もうあたりは暗くなるしで、士気を維持することが出来なかった。

本当は涼しい顔をして1日50kmなぞは軽いですよと言いたかったのけれど、無理なものは無理だったのだ。

結局、今日は52km歩いたのだが、今の私の実力では無理なく歩くなら30km、多少無理をしても40kmあたりが限界だったのだろう。

実に不本意な結果になってしまったけれど、これが現実である。

ひとつ慰められることがあるとすれば、ホテルに着いた途端に雷が鳴り出し、物凄い雨が降り出したことだ。

道中でこれに当てられていたら、流石に泣き出していただろう。

それにしても、明日は歩けるかな。