叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

余韻


旅の終わりというのは、毎度毎度語っていることではあるのだが実に淋しい。

それは旅が愉快だったが故の反動なのだろうから悦ばしいことではある。

ただ、ただ、辛いことには変わりない。

このような気持ちになってしまうのなら、部屋でごろごろしていた方がマシだったのではないかと思ってしまうほどでもある。

否、本心でそんなことは考えていない。

またいつでも、本当は今日にでも飛び出してゆきたい気持ちはあって、それを何とか押し殺して私は今日も仕事に行かなければならないのである。

ただ、世の中は辛いことばかりではない。

あと10日もすれば鹿児島に帰ることが出来るのだ。

夏のように誰かが流行り病に罹るようなことがなければ休みの間中、10日間たっぷりと懐かしい故郷に滞在する。

帰ったところで予定は3件ほどしかなく、あとはその時にしたいと思ったことをするだけという実にお気楽なものだが、それをやらせてくれる実家があることの有り難みを最近思うようになった。

私も、随分と歳を取ったのだ。