叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

関係性


彼女感のあるポートレートなどというのは殆どの場合が演出だし、そのような写真をあえて撮ろうとは思わないけれど、友人の距離感で撮ったポートレートというものであれば、たとえフォトグラファーとモデルという関係性であったとしても、真に迫ったものが撮れるのではないかと最近は考えている。

フォトグラファーとモデルである以上、その垣根が無くなることはないだろうし、また無くしてはいけないのだけれど、限りなく垣根を低くしたその曖昧な関係性から一体どのような写真が生まれるのかに興味があるのだ。

ポートレートのように衣装やポーズによって作り込まれた世界観ではなく、然りとて本当の友人と遊んでいるような隙だらけの雰囲気でもなく、少しだけお澄まししているけれど笑顔が多くて、そして撮り撮られることが日常にさえなっているような写真。

なぜ私がこのような写真を撮りたくなったのかと言えば、明らかに10月初めの撮影の愉快さが尾を引いているせいだし、とある写真家の自分の得意分野を活かして他者とコミニュケーションを取るという言葉に影響されたということもある。

何れにしても、今まで何となくストリートスナップを撮ってきた私にとって、久しぶりに渇望とも言えるほどの気持ちで撮りたいと思う被写体が現れたのは賀すべきことだ。

成否はともかくとしてこの気持ちを大切にしたい。