叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

キャンディッドフォト


最近、街行く人に声を掛けてポートレートを撮る光景を収めた動画をSNSで良く見かける。

被写体に選ばれた通行人は、ワーワーキャーキャー騒ぎながら写真を撮ってもらい、まさに一眼カメラで撮りましたというような背景がボケた写真を見せてもらい喜んでいて、お互いwin-winでやっているのならそれで良いのだけれど、ひとつだけ物申したいことがある。

それは、カメラマンが通行人に対してストリートスナップを撮らせていただけないでしょうか、と声掛けをしているということだ。

これは明らかな言葉の誤用で、あなた方が撮っているのはストリートスナップではなくストリートポートレートではないのかと、声を大にして言いたい。

スナップ写真については、あくまでも被写体の自然な姿を捉えることが大前提で、被写体に対しては一切の作為をしてはならないはずだ。

ちなみに英語ではキャンディッドフォトと呼んだりもするらしい。


何れにせよ、彼らが撮る写真は被写体に声を掛け、カメラ目線でポーズを取らせることで成立している訳だから、その定義から外れてしまっているのだ。

些末なことだと、自分で思わぬでもないけれど、やはり言葉は正しく使われるべきだと思う。

彼らがいうところのストリートスナップ、折角SNSで話題になっているのだから、写真に馴染みのない人たちに正しく理解してもらえるような言葉選びをして欲しいと願っている。