叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

禁忌


フィルムを現像を出す為に京都まできたといえば、笑われてしまうだろうか。

郵送すると送料が掛かるからというのは言い訳にもならない言い訳であって、京都までの交通費と宿泊費の方が何十倍も高いことは言うまでもない。

二直の勤務明けに動くというのは成る可くなら避けた方が良いのだけれど、昨日は稼働停止になって体力の消耗がなかったし、定時で帰ることが出来たから、さっさと飛び出して来た。

もう梅雨に入ってしまったから、あと1ヶ月はまともな晴れは望めないから、この選択は間違っていなかったと思う。

それに、昨日は殆ど仕事をしなかったから二直明けとは思えぬほど元気で、どんどん歩き回って久し振りに夜のスナップまで撮る余裕があったのは非常に嬉しかった。

中でも愉快だったのは、スナップを撮る同業との出会いがあったことだ。

往来にしゃがみ込んで、眼前にめぼしい被写体も無いのにシャッターを切っているような人は、間違いなく私のお仲間だと思って声を掛けたら案の定そうだった。

しかもその人は中国人で、差し込んでくる光と通行人を狙っているのだと、身振り手振りで教えてくれた。

フィルムの現像を出しに来たという、こじつけのような理由ではあったけれど、こんな出会いがあると心から来て良かったと思う。