叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

利口


JRを使えば交通費はタダも同然というのをいいことに、京都のPhotolabo hibiさんまでフィルムを出しに行った。

横浜から京都まで500km近い大移動、そして既に愛知に戻ってきたから、その分を含めるとトータルの移動距離は600kmを優に通り過ぎて最早700kmに近い。

我ながら、利口な選択ではないことは理解している。

こんな意味の分からない長旅をせずとも、フィルムはいつも通り送れば良かったのだ。

私は時々このような突拍子もない行動を取ることがあって、昨日のばたこさんとの撮影でも、スニーカーを履いたままざぶざぶと波打ち際に入ってゆくという愚行を犯し、スニーカーとジーンズをずぶ濡れにした。

利口な人間であれば、海での撮影が決まった時点で波打ち際に入ることを想定してサンダルや半ズボンを用意するだろうし、縦しんば急に入ることになったとしても、靴と靴下は脱いで入るだろう。

何もスニーカーと一緒に海に入る必要はないのだ。

ただ、私自身は要所要所でこの突拍子もない行動をする自分のことがとても気に入っていて、大袈裟に言えばその度に生を実感するし、天上天下唯我独尊という気分を味わっている。

利口かそうでないかというのは、どこまでも他者の中にある価値観によって下される判断だから、私はそういうものに拘泥せず、どこまでも心の赴くままに行動すれば良い。

そんなことを思ったひとり旅だった。