愈々明日、鹿児島を発つ。
窮屈だと思われていた実家の生活にもかなり慣れてしまったし、地元にいれば遊んでくれる友人も多少は居るから、こちらでの生活が愉しくないわけではないのだが、今の暮らしに本当の愉しさを見出せているかと問われれば、心から首肯することも出来ない。
それに私は、良くも悪くも環境に馴れてしまう人間であることを自覚している。
帰って来た当初こそ苦痛で仕方なかったこの怠惰でストレスのない生活も、今は大いに受け入れて身の置き所を見つけてしまっている。
安住が悪であるとは思わないし、それを求めている私もいないではないが、鬱勃たる変化への欲求が心の中に常に渦巻いているのも本当の私であって、それを押さえつけてしまうことが出来ない。
こんな生活を続けていては、愈々私はひとりで死ぬしかないということは分かっているつもりでも、私を襲うのはあまりにも漠然とした淋しさで、そんなものに正面から取り組む気も起こらず、まだまだひとりで良いと思ってしまう私がいる。
私はいつまでもこのようにして、生きてゆくしかないのかもしれないね。