叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

と或る日


いつぞやの、へとへとになった記憶ばかりが残っている旅の写真が帰ってきた。

精彩を欠く出来上がりになっている気がするのは、その疲労が現れているせいか、エルマーという新しいレンズを使っているせいか。

無味無臭と言って差し支えのない描写は相変わらずだが、時々はっとするような写りをしている。

逆光に晒してもズマールのようにまんまるゴーストが出ることもなく、画面全体をフレアが支配することもなく、ただ全く影響が出ないわけではないので使い方が結構難しい。

ただ、朝から晩まで乱れずに写真を撮れるという点では、エルマーほど使いやすいレンズはないと思う。

エルマーとはまだまだ仲良くなりたい。


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デジタルカメラで撮ったような、というのが褒め言葉になるのかは分からないが、開放で撮っても実にクリアな写りをする。


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朝日のオレンジ色が実にクリアに写っている。

蛍光灯も滲んだり、ぼやけたりしていない。


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車窓より富士山を望む。

そこに山があっても登ろうとは思わない私である。


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最短撮影距離付近。

銀杏の黄色を残しつつ、暗部のアスファルトも黒潰れしていない。


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寒い日だった。

暖簾はうどんそば、看板はそばうどん。

どうでもいいね。


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仕事帰りの人々。

長い影が伸びている。


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学校帰り。

急ぎ足。


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江ノ島

七里ヶ浜から撮るのがちょうど良い。


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今回、いちばんのお気に入り。

なんと綺麗な指だろう。


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