叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

克己


だらだら、鈍行に8時間揺られて別府まで来た。

正確には、延岡から佐伯の間は特急を使わざるを得なかったのだが、これはJR九州がよろしくない。

この間の鈍行は早朝と夜遅くになってからの2便しかないので、特急を使うより仕方なかったのだ。

鹿児島本線を使う手もあるが、これは肥薩おれんじ鉄道の追加料金が発生するし、到着時間も遅くなってしまうから、やはりこれが最適解だろう。

別府に来たのは、人待ちのためだから特にすることもなく、安くもない居酒屋で少し食べてお終い。

特別な風呂に入りに行こうかと思って迷って、お金まで用意したけれど、今回はやめておいた。

ひとりはひとりを満喫しておればよく、淋しさを紛らわすような行為に安易に走るべきではない。

自らをブランド化してゆく為には、苦しい痩せ我慢をする必要もある訳だ。

堪えぬいた悦びと、一抹の淋しさを引きずりながら宿に帰ってきて、相部屋の韓国人と少し話をした。

鹿児島から宮崎を観光して、昨日別府までやって来て、明日は私と同じく四国に渡るらしい。

ユンさん、と云う。

少しは、淋しさが紛れた。