事実はひとつだが、真実は人の数だけあるらしい。
写真についても同じことが言える。
同じ被写体を撮ったとしても、10人のカメラマンが居れば10通りの写真が出来上がる。
同じ光景を目の前にしても、カメラマンによって感じ方は様々で、その人にしか見えないもの、感じ得ない世界が確実にある。
写真を上達させたいのなら、感性を磨け、映画を見ろ、本を読めと言われるのは、世界を広く知ること、或いは深く知ることによって、より多角的な視点を身に付ける必要があるからだろう。
ただ、人より多くのものが見えるからと言ってそればかりが優れているわけでもないし、オリジナリティというのは得てして独善的な思考から生まれるものだとも思う。
写真を撮ることの意味については、私自身もいろいろ考えたけれど、結局はよく分からなかった。
その時の私が何を美しいと感じたのか、何に心を動かされたのかを正直に撮りたいと思う。
無理をする必要は無い。