叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

備忘録


昨日は久方ぶりに愉快な酔い方をした。

ワインをグラスでサンバイ飲んでもまだまだ余裕があったし、頭も痛くならず、身体も実に軽かった。

お酒を飲んだのは、横浜にあるパーチというお店。


江ノ島を離れて、バスの出発時間までの暇潰しで散歩をしていた時に発見した。

大してお腹は空いていなかったから、ご飯を食べるつもりはなかったものの、可愛いお姉さんに声を掛けられてしまっては入らざるを得ない。

勧められるままに、マルゲリータピザとホタテのアヒージョを食べて、お酒はワインをグラスでサンバイ、〆にアップルパイまでいただいてしまった。

汗をかいた後ということもあるかもしれないが、全体的に塩味がしっかりと効いた私好みの味。

お酒については、白ワインに加えて普段飲まない赤ワインもいただいたのだが、渋みや苦味が無く非常に美味しかった。

ワインは特にこだわりがあるようで、オーナーの出身地である長野県産のものを中心に取り揃えているとのこと。

その美味しいワインを、グラスでいただけることもポイントが高い。

他所のお店だと、ワインはボトル単位で注文しなければならないことが多く、グラスで注文出来るのは名前もついていないようなものがひとつしかないことも多い。

私のようにあまりお酒に強くない人間はそれに甘んじるしかないわけだが、今回は3種類も愉しめたので非常に良かった。

このように、料理もお酒も大変に愉しんだわけだが、何よりも愉しかったのはお姉さんと会話である。

実はお姉さんはオーナーの奥さんで、言わば女将さんだったので後から恐縮してしまったが、お店のことやらワインのことやらいろいろと教えていただいた。

コロナ禍このかた、土地の居酒屋や料理店に行っても、県外客お断りの貼り紙があって入ることさえ出来なかったり、入れても店員さんと話すことが憚られたりして、それならばとチェーン店に入ることが多くなっていた。

だから、本当に久し振りに、昨日は土地の人と会話が出来たのである。

私にとっては、それこそが旅の重要な醍醐味のひとつだったから、喜びもひとしおなのだ。

それに横浜という大都会の中で、奇跡のような確率でこのお店に出会えたことが何よりも本当に嬉しい。

江ノ島にはどうせ直ぐに恋しくなって、遠くない将来また行くだろうから、その時は必ず再訪しよう。

良い縁をいただいたと、心から思っている。