叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

体力

どうも未明には起きてしまって、うつらうつらしながら、ふらふらしながら、鳥羽へ行った。


初めて、答志島に渡る。


もうコロナウイルスは無くなったものの如く、観光客、それも家族連れが本当に増えている。


私も完全に物見遊山で、特に用事があるわけでもないので、人のことはとやかく言えない。


島について、先ずは九鬼水軍の頭領の首塚に登った。


いやに案内板が多かったから、取り敢えず行ってみようというだけの話である。


どうもこれが失敗で、さぞ立派な石碑でもあるのだろうと思って向かったものの、道中は山道で殆ど整備されていないし、石碑もこぢんまりしているし、登った甲斐は少なかった。


不案内な土地を歩くとこういうことはままあることだから、これについては特に感慨もないけれど、このほんの少しのトレッキングで脚が震えるほどに疲れてしまって、私としてはその事実の方に愕然としてしまう。


いつか戻る、いつか戻ると思っている体力だが、もうこのままかもしれない。


その後は、小さな漁港やら細い路地やら、いつもの通り適当に撮りながらぶらぶらした。


お墓に、陸軍上等兵とか、海軍兵曹とか、そういう文字が彫られているのを、ここでも見かける。


こんな離島の人たちまで戦争に行っていたことや、戦死者何十万人のひとりひとりの墓が、全国に存在する重苦しい事実を考えると、胸が苦しくなってくる。


鳥羽に戻ってきて、清酒を一杯やった。


焼き牡蠣としらす、名物のとろさわらで質素にやっていると、小さいフグの干物をサービスしてくださった。


お酒を飲むと、心身の機能が全て停止してしまうような感覚に襲われる今日この頃の私ではあるが、そのサービスはとても嬉しかった。


来週は、人が凄まじいだろうけれど、紅葉の京都へ行こうと、これも全くお天気と体力次第ではあるけれど、今のところはそう考えている。