何故フィルムカメラで撮るのかという問いに対しては明確な答えを持たないけれど、何故ライカのII型を使うのかという問いに対しては明確に返答することが出来る。
先ずはあの造形。
90年以上も前に、職人が板金加工によって作り出したボディは、現代のカメラが逆立ちしても敵わない美しさを持っていて、まさに工芸品と呼ぶのに相応しい。
そして、その小さなボディの中には必要にして最低限の機能が詰め込まれている。
レンズを装着するためのマウント、ピント合わせ用のレンジファインダーと構図決め用のファインダー、あとは手動で合わせるフィルムカウンターが付いているだけ。
余計なものは全て削ぎ落として、ただフィルムに適正な光を当てるために作られた暗室という感じで、機能美とはこのようなことをいうのだろうと感心させられる。
とにかく私はII型という存在に惚れ込んでいて、もしこれがフィルムカメラではなかったとしてもこれを愛してしまうことだろう。
どこか気の利いたメーカーが、似たようなデジタルカメラを作ってくれないかしら。