私の愛機であるライカII型はバルナックライカというカテゴリーに分類されるカメラで、35mm版フィルムカメラのパイオニアと言っても過言ではないカメラだが、その分機能的には発展途上の点があって、それ故に最近はフィルムカメラの中でも扱い難いという評判が頻りである。
電池が要らないカメラだから撮影に関する操作は全て手動で行わなければならないし、フィルムを装填する際も若干ややこしい手順を踏まなければならない。
ただ、私からすればその程度のことで、この素晴らしいカメラを使うことを躊躇うのは実に勿体無いと思うのである。
そもそも、カメラに限らず趣味をある程度やり込もうと思えば覚えなければならないことが出てくるのは当たり前の話で、例えば釣りをするなら糸の結び方を覚えなければならないし、仕掛けを投げる技術も身に付けなければならない。
ねばならぬと言うと何だかやりたくもないことをやらされているような気になるが、最初こそ苦戦したとしても全ての釣り人はそれを苦とも思わずやっている訳で、難解と言われるII型の操作も慣れてしまえば何の痛痒も感じないのである。
若い人たちの間でフィルムカメラがブームになって久しいとはいえ、どこかがオート化されているフィルムカメラが大勢な気がして、別にそれが悪いことではないのだけれど、せっかく面倒な手段を選んだのならとことんまで面倒なことをやってもらいたいと思うのは、オジサンの繰り言になるのだろうか。