カメラを使って写真を撮ってみたいという人は、いっそのこと最初からフィルムカメラを使ってみれば良いのにといつも思っている。
というのも、今のデジタルカメラはアレモコレモと機能を詰め込んだ結果、ただ単純に綺麗な写真を撮りたいというニーズに対しては明らかにオーバースペックになっていて、その機能を完全に使いこなそうとすればそれなりの時間と努力が必要だが、フィルムカメラなら出来ることが少ない分操作がシンプルだからだ。
何も初めからフルマニュアルのバルナックライカを使えという話ではなく、オリンパスのペンEEとか、写るんですとかでも良い。
これならばピント合わせも露出調整も要らないし、デジタルカメラと違って初期投資に数十万を注ぎ込む必要もない。
高いお金を出して購入したデジタルカメラを使いこなせず、こんなことならスマートフォンで十分だったという嘆きの声もよく聞く。
だからと言って、写真を撮るという行為をスマートフォンだけで済ませてしまうのは実に勿体無いから、それならば今時のデジカメより余程操作がシンプルなフィルムカメラを使おうという話である。
スマートフォンでは決して出来ない撮影体験をしたり、デジタルカメラでは表現しづらいフィルムならでは色彩を愉しんだりする中で、やはりスマートフォンで十分だと思う人、デジカメに移行したくなる人、フィルムの沼に足を踏み入れる人、反応は様々だろうが、それはそれで良いのだ。
私がただ、カメラ入門＝デジタルカメラというテンプレートに疑問を持っているというだけの話である。
嗚呼、写真を撮りたい。
