彼女感、というような作為あるポートレートは撮りたくないと数日前の日記に書いた。
だからせめて、被写体と友人のような関係性を築いた上でポートレートを撮りたいとも。
ただ、今はその慾望に対しても違和感がむくむくと湧いてきていて、結局はそれもカメラを媒介とした作為的な友人関係でしかないのではないか、というわけである。
よくもまぁ、ポートレートひとつでここまで悩むことが出来るものだと自分でも感心してしまうけれど、要はそこだ。
ぐだぐだ悩む必要は無いのである。
どんなに美辞麗句を並べても、結局フォトグラファーはモデルの容姿に惹かれてその人の写真を撮りたいと思うわけだから、基本的にはその慾望に忠実になれば良いのだ。
その慾望をモデルが受け入れてくれている間は難しいことは考えず、相手への感謝を忘れぬようにして写真を撮り続けていれば良い。
人間関係云々というのはそうやって撮影を繰り返しているうちに出来てゆくものだろうし、それがお互いにとって心地の良いものであれば友人だろうか他の何かだろうが呼称なんてどうでも良いではないか。
考え過ぎてどうにも身動き出来なくなってしまうのは私の悪いところだから、先ずは行動することを大切にしていきたい。