フォトグラファーとは、自分が撮る写真がこの世で一番好きだという気持ちが根底にある人種である。
もしその気持ちが少しもないままに写真を撮っている人がいるならば、その人は遅かれ早かれ写真をやめてしまうだろうし、そもそも自分で撮らずとも他の人が撮ったものを眺めていれば良いのだ。
それが出来ないから、自分の撮る写真が好きでたまらないから、我々は写真を撮っている訳だが、時としてその愛情が、他者を攻撃することに繋がるあるらしい。
先日もSNS上でそのような光景を見つけてしまい、フォトグラファーの業のようなものを感じずにはいられなかった。
ただ、我々は、写真というものが、我が家のカレーのような存在であることを忘れてはならないと思う。
写真もカレーも、それぞれの家庭ならではの味付けがあって、その巧拙について、基本的には他者が論評して優劣をつけるようなものではない。
どんなに世間的な評価が高い作品であったとしても、プロが作った作品だとしても、口に合う合わぬがあるし、それが許容される世界なのだ。
我々は、あくまでも自らの写真を愛し、そして他者の写真も同じように愛そう。