フィルムが、現像から上がってくるのを、首を長くして待っている。
既に仕上がりましたとの連絡はあったから、今は振り込みで支払いをして、データを送ってもらうのを待っている状態。
待つことそのものが、フィルムで写真を撮ることの愉しみのひとつだという人があるけれど、言い得て妙である。
デジタルカメラならば何もかもが早く済んでしまうけれど、せいぜい1週間ぐらいレタッチをして遊んで終わりのところ、フィルムは待たねばならない。
撮影時の光や、温度、匂いをなぞり乍ら、首を長くして仕上がりを待つのは実に焦ったいことではあるものの、その分だけ思い出が深く心に刻まれるような気がする。
何度も行っている場所だし、モデルさんも何度も撮っている人だけれど、フィルムで撮ることでより印象深い撮影になることは間違いないと思う。
今日の夜中にはデータが送ってくるはずだ。
その時の私はどんな顔をしているかな。