半年フィルムで撮ることを休んでいる間にも、フィルムの値段はどんどん上がってしまっていて、もうフィルム代が幾らで、現像代が幾らでということをいちいち考えることすらしたくない。
でも、フィルムで写真を撮らなかった半年間、私はどうにも淋しかった。
改めて使ったデジタルカメラの便利さと気安さには感動したし、rawで撮った写真を現像して、自分なりの色味を作ってゆくこともそれなりに愉快ではあったけれど、どこか満足出来ないのも事実だった。
フィルムカメラで撮ることの面白さというのは、フィルム独特の色味を愉しむこともさることながら、撮影のプロセスによるところが大きいのではないかと思うのだ。
金と手間をかけずにフィルムを愉しむ方法として、最近は撮った写真をフィルム風にレタッチしたり、アプリでフィルム風に加工したりする人もいるようだが、結果だけフィルムに寄せるやり方は、私には合わなかった。
これからもフィルムの価格は上がり続けるだろうし、下手をするとフィルムそのものが失われてしまう日が来るかもしれない。
その時が来るまで、私はフィルムで写真を撮り続けていられるだろうか。
死を待っているようで、何だか落ち着かない。