叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

シンプル


昨日の続きのような話し。

動画も撮れない、オートフォーカスも使えないライカのカメラに、100万円以上のお金を出すことが信じられないという人がいる。

イカはブランドとしての価値しかなく、ライカを買う人はそれをただ盲目的に有り難がっているだけだと。

だが、考えてみて欲しい。

動画を撮る必要が無い人、オートフォーカスに魅力を感じない人にとっては、ゴテゴテと使いもしない機能が盛り込まれた50万円のカメラにお金を出すことのほうが愚かしいことではないだろうか。

日本のカメラメーカーがM型ライカのような、写真を撮ることに特化したカメラを廉価で出してくれていて、それでもなおライカのみを有り難がるような態度は好ましくないかもしれない。

ただ、現状は違う。

単純に、写真を撮る為の快適な機能が欲しいと願う人たちにとって、ライカを買う他に選択肢があるだろうか。

モデルチェンジのたびに新しい機能が付与されてゆき、その分価格も上がってゆくが、その機能を使わない人にとって、その値上がり分に出す金は無駄金である。

その点ライカであれば、たとえ100万円払うことになったとしても、その機能を余さず使うことが出来る訳で、無駄金になる部分は殆ど無い。

日本のカメラメーカーにおいては、何でも出来ることが偉い、性能が良い方が偉いという考え方を捨てて、写真を撮るということの原点に立ち返ってみて欲しいと思う、今日この頃である。