叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

リハビリ


写真を撮らなくなったのは、それ自体あまり愉快ではなくなったこともあるけれど、旅に出掛ける機会が激減してしまったことが最大の理由であるように思える。

やはり私にとって、旅のない写真はあり得なかった。

GRⅢを買ってその辺を散歩しながら撮って、元々ウマくもなかった写真がさらに下手に感ぜられて、ますます嫌になってしまった。

ただ、綺麗な光を見たり、朱に染まった空を見たりしたとき、これを写真に残しておきたいという気持ちはまだ多少あるから、完全にクサることはしないようにする。

ふとした瞬間を撮り続ければ少しは納得出来る写真が撮れるかもしれないし、それが写真欲復活のきっかけにもなるだろう。

このまま写真への熱が消えてしまったとしたら、私にとっての写真はその程度だったということだ。

もしそうなったとしても、私のこれまでを考えれば何も珍しいことではなく、私にとっての趣味とは熱が突然に冷めて、さっさと止めてしまえるものばかりだった。

だからこそ、熱が持ち直すようなことがあれば、躊躇なくライカを買おうと思う。

あの所有欲を大いに刺激してくれる存在感と、官能的なまでの操作性は相変わらず私の心を掴んで離さない。

焦がれて、焦がれて、我慢出来なくなるほどに焦がれることが出来れば、私としては珍しいことなのだから。