またまたSNSで論争が起きている。
ことの発端は、ポートレート撮影中のモデルを横からこっそり撮るカメラマンを非難する投稿だった。
論争の詳細についてはとても書ききれないからここでは省くけれど、その論争の中で多くの人が他人を無許可で撮影することは疑いようのない悪であるというスタンスを取っていることがあらためて可視化されると、私としてはやはり心苦しくなってしまう。
世の中の趨勢はやはりそうなのだ。
街をゆく人を無許可で撮影することが刑法上の撮影罪には問われないとしても盗み撮りは盗み撮りだし、多くの人はその行為に対して嫌悪感を抱いている。
私のような写真を撮る人間からすればそれはとても辛い事実ではあるけれど、今回のように盗撮を良しとしない相手に噛み付いても大勢を覆すことはできないし、下手に火がつけば色々なところに飛び火してますます肩身の狭い思いをすることになってしまう。
そもそも、すべての人に受け入れられる写真などこの世に存在しないのだ。
他人を啓蒙しようなどと思い上がることなく、世界の片隅でひっそりと写真を撮り続けることができればそれで良いではないか。