私の好きなMr.Childrenのhimawariという歌に、こういう歌詞があります。
想い出の角砂糖を
涙が溶かしちゃわぬように
僕の命と共に尽きるように
ちょっとずつ舐めて生きるから
この角砂糖みたいな、死ぬまで大切に舐めてゆけるような想い出があるといいのですが、私はつい先日のことさえ忘れてしまうのです。
強いていえば、ひとりだけ、今も忘れられない人がおりますけれど、それも既に遠い昔のことになってしまっていて、強烈な感触を持って思い出せるような存在でもありません。
最近読んだ小説の中に、過去は変えられるというフレーズがありました。
過去を書き換えるというような、ファンタジーの話をしているわけではありません。
過去の出来事を変質させたり、無かったことには出来ないけれど、人間の認識の中においては、その出来事に対する意味づけを変えることが出来るし、予期せず変わってしまうこともある、というような意味だったと思います。
これは凄く頭に響いた一節で、私も過去を大切に取っておいて、これから先の未来であれこれ弄ってみたいのですが、私は忘れてしまう。
これはとても淋しいことで、私がよく撮っている写真ですら、想い出を呼び覚ます縁にはならないのです。
私にとって、過去とは、想い出とは、過去を振り返られない人間に、今を生きる価値があるのか。
そういうことまで考えてしまう、妙な一日でした。