誰の言葉だったか忘れてしまったけれど、俳句というものは、排出物とおんなじ、出さねば困るが、出してしまえば、何ということもない、それをわざわざ残して振り返る必要もないという言葉に、感じ入ってしまったことがある。
撮った写真の現像が溜まっている。
先の偉い人のお話しとおんなじで、撮ってしまえば、何ということもないのである。
特に私は、何か撮りたいものがあって写真を撮るわけではなく、その時々の私の感情が投影された写真を撮りたいと願っているから。
写真はどこまでいっても、過去のものである。
ただその過去によって、生かされていることも事実だから、蔑ろにするつもりはないので、あえて言うのなら、過去を蔑ろにしないように、写真を撮るのかもしれない。