叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

未練


どういう心境の変化なのか分からないが、最近同じような状況で何枚も写真を撮る場面が増えてきている。

若干構図を調整したり、露出を弄ったりして、何枚かその場でシャッターを切るようなことを頻繁にするようになったのだ。

デジタルカメラを使っている人なら当たり前のことかもしれないが、フィルムカメラユーザーの私からすればそれはコスト的にとても勿体ないことだし、私のスタイルがキャンディッドフォトである以上、あまりしつこくやると余計なトラブルを招きかねないから、努めてシャッターは1回のみという縛りを今までは設けていた。

だというのに、最近はどうも直ぐにその場から立ち去り難い気持ちが出てきて、2回3回とシャッターを切っている。

ただ未練がましくなっただけなのかもしれないし、或いは写真に対して何らかのこだわりが出てきたのかもしれず、後者であれば少なくとも精神的に成長してきたということで、それは実に悦ばしいことだ。

とはいえ、2回目3回目のシャッターを切ろうとする際に心に萌す躊躇がどうにも居心地が悪く、何だか悪いことをしているような気にもなってくる。

しかし、そんなことで写真をやめるのはあまりにもツマラナイので、今はその気持ちは押し殺して心が動いた瞬間にシャッターを切ることは忘れないようにしたい。